新築移転した本物の京都府警察本部庁舎へ

移転前の京都府警察本部庁舎
移転前の京都府警察本部

 2023年(令和5年)春、ぼんやり見ていたニュースで信じられない光景を目にしました。京都府警察本部の旧庁舎を改修し、移転してきた文化庁の庁舎銘板の除幕式…そこには長年京都サスペンスファンに親しまれ、京都サスペンスの象徴的存在であった、あの「京都府警察本部」と「京都府公安委員会」のダブル銘板に代わり、「文化庁」という文字が!?

いわゆる2枚看板
コレよコレ!

 これは一大事!!!2時間ドラマの!山村美紗作品の!京都府警としてほぼ必ず映し出された、あの銘板はどうなってしまったのか!?取り外された後にどこかに保存、陳列してあるのか!?
かくして、これは何が何としても!と、久しぶりの上洛となったのでした。

先に府警グッズを買いに行こうと思ったら

京都府庁旧本館正門
京都府庁旧本館

 地下鉄丸太町駅から徒歩数分、京都府庁や府警本部のある官庁街が御所西にあります。釜座(かまんざ)通を京都府庁旧本館正面から左(東)に曲がった先、下立売(しもだちうり)通と衣棚(ころものたな)通との角には、京都府警グッズを売っている府警察本部の売店が…無い!なくなってる!!

  
下立売通
右の防犯会館の建物に売店があった
売店
在りし日の京都府警察職員福利厚生会売店
在りし日のポリスまろんコーナー

 建物から出てきた職員さんらしき人に聞いたら、新庁舎に売店も移転したそうです。利便性を考えれば当然でしょうが、日本の警察では非常に珍しい、署外にあって、職員以外も利用できた警察署売店だったので、心底がっかりです。

 ふらっと立ち寄って、京都府警グッズというちょっと毛色の変わった京都土産を買うのが楽しかったんだけどなあ。専用の消耗品や警察官向け書籍等、一般人は購入不可でも、色々と興味深いものが見られたし。

売店の商品
こんなのもあったし

 そもそも、マリコさんが持っている府警マスコットキャラのキョッピーのケータイストラップ(新科捜研の頃で着メロは「鉄腕アトム」)が欲しくて、府警本部に初めて行ったんだよな。

 門衛のおまわりさんに尋ねたら、マスコットがキョッピーからポリスまろんに変わった直後で、キョッピーはもう無いかもだけど、一般の人も買えると、少し離れた所にある売店を教えてもらったんだっけ。何年昔の話だよ。

キョッピー
平成13年に誕生したキョッピー

 「スペシャリスト」では、「なんでポリスまろんなんかに交代させられたんだろ?な、キョッピー!」と、元京都府警広報課キョッピーくんお世話係・宅間善人さん(草彅剛)がひとりごちてたっけな。

 まあ、それはともかく。こうなったら本丸に行くっきゃない!

交通反則通告センター玄関
交通反則通告センター

平和で楽しい警察沙汰

文化庁東側玄関
右の新築部分以外はほとんど変わらない
文化庁東側玄関
  

 移転してきたばかりの文化庁の東側玄関は、かつての府警察本部の面影がしっかり残っています。でも、反対側の京都府庁旧本館側の出入口は…やっぱり無い。文化庁の庁銘板が掲げられるのみ。悲しい…。

文化庁の府庁側玄関
  
文化庁の庁名板
うっすらと剥がし跡

 南隣にあった「京都府警察科学捜査研究所分室」という建物も無くなってた。ショック…。

不安が増すw
科捜研分室があった
左側の2階建て建物
科捜研分室出入口
在りし日の京都府警察科学捜査研究所分室
京都府警察科学捜査研究所分室
初めて見た時めちゃくちゃテンション上がった 
更地に
きれいに更地

 気を取り直してお隣の府警本部です。キレイでスタイリッシュだ。門衛のおまわりさんに売店について尋ねると、「う~ん、どうかなあ?中の受付で訊いてください」とのこと。

新築移転した府警本部
  

 ロビーに入るとホテルみたいに広くてピカピカ!正面の受付で目的を伝えます。受付の横には物々しい入退場用のゲートがあり、そう簡単には入れそうにありません。てゆか、セキュリティー的に入れちゃ困る。というわけで、売店での一般購入希望者はどうするのか?

京都府警グッズ
カタログ販売

 はい!売店の方がこちらに赴いてくださり、ロビーにて商品カタログや商品見本を前に商談。購入が決定すると、再び売店から商品を持ってきてくださって清算。という方式になっておりました。売店には定休日(土日祝休)、営業時間(午後5時まで)があるので注意が必要です。

パトカーを背に商談
  

邂逅

 あんまり署内をうろつくのは不審者みたいで躊躇われるし、さっきまで受付で大声でゴネまくってるオジサンもいたしで、商談後に改めて落ち着いてロビーを見渡してみれば…

京都府警察本部ロビー
ロビーは撮影OKでした
京都府警察本部と京都府公安委員会の看板
  

あったあああああああ!!!!!

ロビーに設置されたガラスケース
商談に夢中で気が付かなった

 そこにはまぎれもない「あの銘板」が、京都府警察本部と京都府公安委員会が2枚揃ってガラスケースの中に鎮座しておりました。よかった!会いたかった!無事だったんだ!

館銘板説明
館銘板が正式名称らしい

 キャプションもきちんとあって、平成5年12月27日に旧本館に設置されたとのこと。思ったより新しかった。揮毫は書道家の宇高 示窮(うだか じきゅう)、制作は陶芸家の河合 紀(かわい ただし)。てっきり橋の橋名板のような銅や真鍮製だと思っていましたが、近くで見ると確かに陶板で、改めて色々知ることができました。

館銘板アップ
泰山タイルっぽくもある

 かくして府警グッズの入手とともに、銘板の無事が確認できたのでした。めでたしめでたし。

展示品
「千年を~」の書は千 玄室
定礎板
解体中の別館の定礎板も陳列されていた

 帰り際、一緒に行った生まれ育ちは京都市内で、現在はスペインのマドリード在住の友人が発した言葉、「警察署の写真が撮れるなんて考えられへん。日本は平和や。」が、ちょっぴり心に刺さりました。

  
ドラマでここが映ることもあるのかな

 今回購入したのは、ポリスまろん&ポリスみやこのクリアファイルとぬいぐるみ。以前、科捜研に飾られていたのと同じお品を購入し、うちのバアちゃんがいたく気に入って、明智かめまる(亀岡市観光マスコット)と一緒に飾っているのですが、ちょっとくたびれてきたのでスペアをと思ったら、既に廃番。現在は三代目のお品物だそうで、小さくなっちゃったけど可愛さは変わらない。二人仲良くお迎えしました。

ポリスまろんとポリスみやこ
ポリスまろんは村木さんの科捜研にも飾ってあった
2023年8月16日公開