S17-12

15. 真如堂

境内
普段は静か
山門
紅葉シーズン
紅葉
    

裏名所が堂々の名所に

 宗忠神社の階段を降りて、そのまままっすぐ行けば紅葉の名所として名高い真如堂(しんにょどう)こと真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)です。こちらの境内はS17-12話で、「ラストに関係者全員が集められて真相が語られる崖」的な場所となりました。

三重塔
誘拐現場から見えたのはこの三重塔
提灯
提灯が目印

 この界隈だと紅葉の名所としてまず挙げられるのが永観堂ですが、ハイシーズンは東福寺同様激混み。で、「近くに地元の人が行く穴場がありまっせ、(永観堂と違って)タダやし。」と、タクシーの運転手さんたちが観光客を連れて行くのが真如堂…だったのが広く知られるようになり、ついにこちらも永観堂に並ぶ名所になったとか。境内立ち入りは無料なので、紅葉見物だけなら実際お得です。

境内
真夏の日盛りに行ったら人がいない
境内
    
本堂
    
「科捜研の女」ロケ地
関係者全員集合!

 紅葉シーズンを除けば静かなお寺さんで、撮影は更に観光客が少ない冬枯れの頃。いくら人がいなくても、「なんでわざわざここでー!?」とツッコまざるを得ない場所ですが、ストーリー的に洛北医大(京都芸大)からクルマで気安く来られるし、気持ちも鎮まる所ということで。

本堂
庭園(有料)へは本堂から

真如堂のお札と絵葉書

お札
中2ゴコロをくすぐられる

 寺の縁起によると、御本尊の阿弥陀如来の(向かって)左側に祀られた不動明王が、安倍晴明の念持仏であったとされます。晴明公が亡くなった際に、この不動明王が閻魔大王の前で命乞いをしたおかげで蘇ることができたそうな。(さすが!)

 この時に閻魔大王から授かったとされ、本堂内の受付で贖うこともできる「決定往生の秘印(五行之印)」が(はっきり言って晴明神社のよか)陰陽師感溢れるカッコ良さです。

絵葉書
絵葉書「猫の避暑地」

 寺の四季を撮した絵葉書も販売しており、一番人気が「ハムテルんちのミケ@動物のお医者さん」みたいな、石灯籠の中で涼を取る猫ちゃんでした。

庭
借景の大文字が良く見える「涅槃の庭」
随縁の庭
超モダンな「随縁の庭」

標高差に注意!

金戒光明寺
金戒光明寺は2017スペシャルのロケ地

 地図だと白川通のバス停「真如堂前」からすぐの印象を受けますが、実際はかなりの坂道と階段の先です。S17-スペシャルで撮影が行われた「くろ谷さん」こと金戒光明寺も、地図で見るとお隣さんですが、会津藩士の墓所側から行くと、眺めは良いですが、石段をかなり降りることになるので、お年寄りや足に自信の無い方は、真如堂の門前の道を歩くのをオススメします。

金戒光明寺
眺めは良いけど

珍スポット・真如堂の手水舎

 真如堂の手水舎(ちょうずや、ちょうずしゃ)は、ちょっと珍しい「ボタンを押すと水が出る自動式」です。先に記したように白川通側から訪れると実感できますが、寺の建てられた場所が高く、地下15メートルから汲み上げているが故の「水を大切に」なんだそうな。ボタンを押すと1回分(柄杓半分ほど)チョロチョロ~っと水が出ます。

手水
  
ボタン
ポチッとな
手水
1回分給水される

 常時注がれていないと水が淀んで見えて、清涼感、清浄感に欠ける気がしないでもないですが、幸い池や手水舎に花を浮かべるのがインスタの映えトレンドで、ここ真如堂でも、美しく涼し気な様子に演出されておりました。

向こうに宗忠神社
真如堂側から見た宗忠神社

たれこ止め

 真如堂では毎年11月5日~11月15日に、「この世で十日十夜善いことをすれば、仏国土で千年善いことをするに勝る」という「無量寿経」の教えに基づき、阿弥陀如来の法恩に感謝する法要「お十夜(おじゅうや)」が営まれます。15日には「たれこどめ」に効くという小豆粥の施しがあります。

 「たれこ止め」とは「中風(ちゅうぶう)封じ」であり、中風とは現在でいう脳血管障害(脳卒中)の後遺症である半身不随、片麻痺、言語障害のこと。なんかいかにも寝たきりの不自由さを表すような語感ですが、そうならないよう一度お参りしたいものです。夏の土用にカボチャを食べれば中風にかからないという「安楽寺のかぼちゃ供養」はお参りしたことがあります。脳卒中、なったら大変ですもんね。(介護する側も)

手水
安楽寺かぼちゃ供養のお接待のかぼちゃ煮
京野菜「鹿ヶ谷(ししがたに)かぼちゃ」
2023年10月1日改訂公開