2話、科捜研の女S15-13

9.松ヶ崎浄水場

刑務所の看板(庁舎銘板)が掲げられた

 第2話で「京都洛南刑務所」として映し出された、いかにもそれっぽい建造物です。カッコイイ!これは見に行かねば!!と巨大建築好きの血が騒ぎました。(オバサンは特に高速道路のジャンクションが大好き)

いきなりある   
   

 ここは高野橋に近い高野川上流西岸にある、京都市上下水道局の松ヶ崎浄水場です。幹線道路(北大路)に近いものの、周りは閑静な住宅街。入口前は広々として交通量も少なく、非常にロケに適した場所です。すぐ向こうは高野川で風通しも良く、木陰に駐車して昼休み中のタクシーや営業車が見られました。

大文字が見える   
高野川と高野橋   

 一般の立ち入り禁止ですが、立ち入りどころか門の前にいるだけで、 脱 獄 不 可 能 という凄い圧を感じます。「刑事ゼロ」でも物々しい雰囲気で、看守らしき人々が立って目を光らせていました。あのコンクリートの巨大構造物は囚人を見張る監視塔で、夜間はあそこからサーチライトがびゃーっと照らされて、ルパン三世が走り抜け、塀を乗り越えるわけです。(妄想)

妄想が捗る

 この監視塔(すっかりソレ扱い)、地図には給水塔と記されていますが、浄水場的には正しくは「洗浄水槽」というものらしい。少し長いですが、以下、京都市上下水道局公式サイトの、松ケ崎浄水場場内案内文を引用します。(動画での説明もあります。)

 急速ろ過池…「ちんでん池できれいになった原水に、中間塩素混和池にて塩素剤(次亜塩素酸ナトリウム)を注入し消毒します。その後、急速ろ過池にて、厚さ60センチメートルの砂の層と厚さ20センチメートルの砂利の層に通してさらにきれいにします。急速ろ過池では、砂の層と砂利の層の目詰まりを防ぐため、2日に1回砂と砂利の洗浄をしています。なお、急速ろ過池1池を洗浄するのに約500立方メートルの水道水を使用しています。」

   

 説明は、ろ過池の洗浄に使う水の項へと続きます。「洗浄には、洗浄水槽という高い位置に作られた水槽に貯めてある水道水を使用します。洗浄水槽には、地上10メートルの高さにおよそ800立法メートル(25メートルプールの2.5倍)の水を貯めることができます。高い場所に水を貯め、高低差を利用した圧力で水を送ることによって、急速ろ過池の砂と砂利が洗浄できるようになっています。」

   

 なるほど、監視塔(まだ言ってる)ではなく、京都市内に美味しい水を供給するべく、ろ過池の砂と砂利を洗浄する為の水槽の建屋であることが、よーく理解できました。はるか昔、小学校の社会科見学で地元の浄水場に行きましたが、後年、こんなに真剣に浄水場の仕組みを学ぶとは思わなんだ。ロケ地歩きは本当にためになるなあ。

門の前のインターフォンではないらしい謎物件

 浄水場前から京都府立植物園に至る松ヶ崎疏水は桜並木になっており、隠れたお花見スポットだそうです。

葉桜並木

 「科捜研の女」S15-13話では、ズバリ水道局(土門さんの高校の同級生の勤め先)として門が映し出されます。「遺留捜査」S6-1話でも撮影協力として松ヶ崎浄水場がクレジットされていますが、外観は出ないので、内部が拘置所設定とかで使われているのかもしれません。

2024年9月4日公開