2. 浮御堂

浮御堂

京都近辺における崖的存在?

「赤い霊柩車」の真相解明の場と言えば、琵琶湖の浮御堂(うきみどう)が思い浮かぶ人が多いと思います。シリーズ最終作では、こちらも鉄板の南禅寺水路閣が使われましたが、やっぱココで締めて欲しかった。

竜宮城みたいな入口
   

「近江八景」の「堅田の落雁」として浮世絵に描かれ、俳句に詠まれた琵琶湖の絶景のひとつが浮御堂です。JR堅田駅から路線バスで10分もかからず、土日は「浮御堂前」というすぐそばのバス停に停まりますが、平日は「堅田出町」下車で徒歩数分です。

琵琶湖の上に立つ
   
浮御堂に渡る
   

浮見堂の正式名称は海門山満月寺。比叡山の僧、源信(恵心僧都)によって、琵琶湖の安全と衆生済度を祈願して建立された寺で、湖上の堂内には千体仏が安置されております。

千体仏
   
正岡子規の湖中句碑
浮御堂脇にある沖ノ鳥島みたいに防護(?)された正岡子規の湖中句碑
浮御堂側から見た境内
   
ここもロケ地
境内は時代劇で見た覚えが
浮見堂から見たあの場所
浮見堂から見た「いつもの場所」   

ロケは満月寺境内でも行われていますが、最も見るのはお堂の北側の湖のほとり。寺から直接出入りはできず、一旦外に出て駐車場と堅田藩陣屋跡の横を通って大回りせねばなりませんが、ここから浮御堂を見ただけで非常に気分が盛り上がって、歩く手間など気にならない。ここ!ここ!

湖畔に出る
ここから湖畔へ
浮御堂が見えるロケ地
例の場所!
浮御堂が見えるロケ地
寺に直接出入りできないのがざんねーん
浮御堂遠景
手前には句碑やベンチもあり、少し歩くと堅田漁港

撮影中に来たら煩いだろうがいい奴

それにしても、さっきからワシャワシャブーブーと喧しい音が湖からする。「何?せっかくの風情を壊すのは…」と見れば、こんな作業船が周囲を行ったり来たりしている。

はたらく船
   
スーパーかいつぶりⅡ号
   

調べたらこれは滋賀県が誇る藻刈り船「スーパーかいつぶりⅡ号」。藻が大量発生すると漁船のスクリューに藻がからまり漁ができないどころか、最悪スクリューが壊れる。そんな琵琶湖の安全と景観と経済を守る、藻やゴミを集めて行く頼もしいヤツなのだ。すごいぞスーパーかいつぶり号!

   
湖の藻
繁茂する藻
これも問題、特定外来種スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)卵塊

遠くに琵琶湖の水質等の自動観測所で、UFOみたいな南湖湖心局が見えましたが、近年撤去されました。

遠くに南湖湖心局が見える
浮見堂から見えた南湖湖心局

この後ウキウキ気分で周囲を歩いていたら、「おみやさん」で見たことのある神社がありました。わあい!

「新おみやさん」6話ロケ地
「新おみやさん」6話で見た伊豆神社
他にも色々ロケ地がありそう

湖族の郷資料館

湖族の郷資料館
   

湖族の郷資料館というのがあったので入ってみました。堅田をテーマにした文学作品の紹介、芭蕉の足跡コーナー、昔の漁具など並んでいましたが、個人的に興味を引かれたのが、小沢昭一のラジオだったか本だったかで、名前だけは知っていた喜劇界の名優「志賀廼家淡海(しがのや たんかい)」についての展示でした。

湖族の郷資料館内
淡海コーナー
湖族の郷マスコット
ちょっと怖い

資料館で販売していた「元祖 堅田の落雁」という落雁と、浮御堂前の佃煮屋さんで購入したゴリの佃煮などがこの日のお土産でした。

ゴリの佃煮
   

米、麦、豆、栗等などの穀粉に、砂糖や水飴、少量の水を加えて木型に詰めて抜き取り、加熱乾燥させた「打ちもの」と呼ばれる干菓子が「落雁」ですが、中国の軟落甘という菓子名がなまったとか、中国の「平砂の落雁」と堅田の景色が良く似てるからとか、ネーミングの由来は諸説あるそうな。

「科捜研の女」に落雁のじゃないけど、でっかい和菓子の木型で殴って、という話があったよなあ~と、物騒なことを考えつつお茶と一緒にいただきました。

落雁
   
資料館近くのお米屋さん
資料館近くのお米屋さん。「プラッシー」と「いの一番」がたまんない
2023年8月改訂公開