S12-9、13-3、15-9、16-9、22-6、23-2他

21.嵐山法輪寺

本堂
「刑事ゼロ」では本堂がエライことに!

ダントツの事件発生率

 京都観光で嵐山方面に来たら、是非とも行っていただきたいのが法輪(ほうりん)寺です。虚空蔵法輪寺、嵯峨虚空蔵とも呼ばれる十三詣りで知られるお寺さんで、普段はとても静かな所です…がっ!とにかく事件(ドラマ上ですが)発生しまくりで、石段を始め境内いたる所が見覚えあるあるで盛り上がること保証付きです。

 上京区のJR円町駅近くに同名の寺がありますが、そちらは達磨寺として有名で、「狩矢父娘シリーズ」「赤かぶ検事奮戦記」に登場します。

渡月橋
渡月橋から見える

 嵐山電鉄の嵐山駅側から渡月橋を眺めると、山腹に塔や本堂が見え、橋を渡りきると看板があって階段が見えますが、こちらは裏口になるので、まずは左手(阪急電鉄嵐山駅方向)に行ってください。

裏口
正規の入口はこっちじゃない

突き落とされ名所

山門
あの山門

 阪急電鉄嵐山駅から行く方が断然近くて、渡月橋方面に道なりに行く途中から「あの山門」が見え、そこを入れば「あの長い石段」です。金戒光明寺の石段とともに京都サスペンス突き落とされ名所で、S12-9話の芝管理官(戸田菜穂)も含め、何人ここで突き落とされたことか…てゆか科捜研の出動多すぎでしょここ。

石段
S16-9話では階段中ほどに遺体が

相馬「テラエスカレーターwww」

 S13-3話では、イタズラニュースで「石段エスカレーター化工事始まる」と報じられていました。十三詣りで振袖姿の少女たちが訪れるので、確かにエスカレーターがあれば便利かも。

石段
思ったほど急階段じゃなくて安心

 「京都人のひそかな楽しみblue」で、「せっかく授かった知恵を返してしまうから絶対に振り向いてはいけない」とされる十三参りの帰り道、渡月橋で父(本田博太郎)に騙され娘(吉岡里帆)が振り向いてしまうシーンが、一瞬「警視庁捜査一課長」の笹川刑事部長のノリで笑いました。十三参りの風習は「おみやさん」S8-9でも詳しく語られています。

笹川刑事部長!!!
定番ロケ地
鑑識作業が良く行われている場所
石段
このカメラアングル

 石段左手奥に電気の神様を祀る境内社「電電宮(でんでんぐう)」が鎮座し、その関係で山門脇には「エジソン」と「ヘルツ」のレリーフと塔があり、大抵この前で鑑識作業が行われています。

塔とレリーフ
電電塔とレリーフ
塔とレリーフ
左が電波研究代表のヘルツ、右に電気研究のエジソン

 階段を迂回する形で車で本堂まで上る道もあり、こちらはS16-9話で呂太くんがハアハアして登っていたので要チェック。境内はS15-9話のマリコさんと相馬くんがイラクサを探すシーンで見ることができます。

坂道
かなり急坂
境内
「ホンボシ」では鑑識作業が行われていた
狛虎
虚空蔵菩薩は丑年寅年生まれの守り本尊なので狛犬ではなく牛と虎
本堂側から
   
マリコさんが覗き込んでた場所
多宝塔を背にマリコさんが覗き込むシーンは電電宮側から撮影    

まさしく舞台

  
法輪寺の舞台
ブラタモリ嵐山編にも登場

 「法輪寺の舞台」という名の素晴らしく見晴らしが良い広い展望台があり、こちらも多くのドラマで見ます。特に「狩矢父娘シリーズ 京都・竜の寺密室殺人」では、竜盛寺という寺名でラスト解明シーンの崖スポットになっており、一番盛り上がる深刻な場面のはずが、良く見ると背景に観光客大賑わいの渡月橋が映ったりします。

広いのでクレーン撮影もOK  
手すりの向こうに渡月橋が見える
法輪寺の舞台
舞台の寺側はバラエティー番組で使われたことも

 ドラマ的にはやたらと物騒な所ですが、「遺留捜査5」では父と娘で階段でジャンケンして「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」と一段ずつ上がる遊びをする場面もあってホッとします。

 「科捜研」世界では面影寺(おもかげでら)という大層風雅な名前になることがあり、「刑事ゼロ」でも架空の寺名が使われていましたが、「ドクター彦次郎」では「法輪寺」という実名が使われております。そしてやっぱり突き落とされています。

石段
夕方呼び出されても絶対に行っちゃダメなとこ
旗
時矢刑事のバックにこの赤い旗が

 境内には「うるしの碑」もあり、これは「文徳天皇の第一皇子、惟喬親王が当寺に参籠、本尊虚空蔵菩薩よりうるしの製法と漆塗りの技法を御伝授され、日本国中に広められました。」という由来によるもので、毎年11月13日が「うるしの日」とされています。「刑事ゼロ」では背景に「うるしの日」ののぼり旗が映り、ロケ日の推定ができました。

裏手の石段
裏道は撮影に使われたことあるのかしらん?

法輪寺電電宮

鳥居
  
獣魂供養塔
電電宮脇の獣魂供養塔前では「遺留捜査」のロケも
説明版
  

 電電宮は法輪寺境内にある神社で、全国の電気関係の企業、団体、個人から崇敬を集めています。普通の神社では見られない電電塔とレリーフや、護持会の名札とオタク的に見どころが多く、珍スポットとしても知られています。

 ロケ時にはテレビ局としてはもちろんのこと、捜査に分析にと様々な電子機器を駆使する科捜研の皆さんも参拝されたかも。

護持会の名札
家電業界からテレビ局に携帯電話に潜水艦まで

 法輪寺の鎮守社ということもあり、宮司や巫女さんはおらず、祈祷も年に一度の電電宮大祭も寺の僧侶が執り行うそうです。特筆すべきは授与品として、虚空蔵菩薩様のありがたい画像の入ったマイクロSDカードのお守りと、パソコンなどに貼る「情報安全護符」があることです。

寺務所
  

 「虚空」とは、何も妨げるものが無く全ての物が存在する空間を示す仏語で、虚空蔵菩薩はそこに福徳と智慧を無限に持ち、衆生の望みに応じて自在に取り出し救済されるという、クラウドコンピューティングを先取りしたような凄い仏様です。データ破損しませんように!パンパン!(柏手)

SDカードお守り
  
ステッカー
ステッカーもカッケー  
ステッカー
  
2023年8月改訂公開